白菜ゴマ症
先日、新潟市内のある直売所で見つけた貼り紙。
『白菜の芯の下部にできる黒い斑点はゴマ症というものでカビではありません。何の問題もなく安心して食べられます。』
何の問題もなくというのは、いくらなんでも言い過ぎ。
wikiより。参考画像。
白菜の芯にできるゴマのような斑点は白菜の細胞が成長時に浸透圧が上昇すると、細胞は水分が増加し膨張する。そこでストレスを感じた細胞内のポリフェノールが増え、細胞壁が色づくというもの。
この浸透圧が上昇する原因が窒素の過剰と言われている。
生理現象であり、人体には影響がないといわれているが、ストレスを受けながら成長した野菜であり、ミネラルバランスが崩れていると考えられるため、日持ちはあまりよくないし、味も一枚劣ると考えられます。
まして、窒素過剰の畑で育った野菜ですから、硝酸態窒素の残留の影響も大きいと考えられます。
私は、こういう白菜は売ってはいけません。騙されちゃいけませんよ。
と言ってるのではなく、販売側は正確な情報と調理を伝えるのも義務。
たとえば、
この白菜は日持ちはしませんが、直ぐに食べるのでしたらこちらの白菜の方がお安くしておりますのでお得です。
硝酸態窒素はしっかりと湯通しすれば除去できます。しかし、水溶性なので、煮汁は捨てること。
この位の説明は欲しいところ。
いやいや、ウチは只の直売所だからいいよ。
ウチの子達は只のアルバイトだから。
と仰る方がいるかもしれません。
ここ、最近ずっと考えてるのは、先日のセミナー終了後に農家の方が怒りを込めてお話をしていた。
『一般の人が農産物直売所に一番求めてるのは“安さ”ですよ!私がどんなに手間をかけて、どんなに美味しい野菜をつくっても、安くないと売れないんですよ!』
という一言。これはデータ的にも裏付けがあり間違っていない。
大手量販店に価格で負けて、品数でも負ける。
商品力とサービスで勝たなくては。
そのためには直売所の生産者との連携とサービス力強化が必要。
野菜ソムリエこそ、その中心人物にならなければいけないし、
野菜ソムリエ自体の育成も必要。
資格を取って、最終目的もなくプラプラしてるようじゃいつまでもお呼びがかかりませんよ。
参考までに白菜の選び方は
ハリがある。
茎の白い部分にツヤがある。
水分が豊富で重い。
外葉が包み込むようにしっかりとしている。
葉脈が均等にのびている。
このあたりでしょうか。
野菜ソムリエやまぎし