白なすについて世界一マニアックな話をしてみる

越後白なすについて世界一マニアックな話をしてみる。




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新潟市西蒲区で特産化されている越後白なす。
この特徴についてマニアックなとこまで入って特徴をあげていく。




恐らく世界一詳しい白なすの話になると思います。
このブログを読めばあなたも白なす博士。





先ずは一般に知られている白なすの特徴から。






紫色素ナスニンという色素をもたないために白く、クセがない。
皮は硬いが、加熱するとトロンとする。






このあたりは街のおばちゃんや、そこらの野菜ソムリエでも知ってるレベルだ。
こっからがマニアックな話になる。






先ずは起源。


ナスの起源は東インド地方。
原種は白かったと言われている。ヘタは緑。
そう。まさしく越後白なすのような配色だが、サイズは卵位の大きさだったと言ってよい。



不思議なのは、ナス科植物の殆ど全てが南米アンデス原産なのだが、このナスだけがなぜか東インド原産。
トマトも南米出身。
有力説は大陸移動説か?





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そこから図のように世界に広まったようだ。






新潟の直近の起源は

福岡→北前船→日本海→寺泊→弥彦→西蒲区となっている。






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日本で最初に種苗屋さんがあつかった県は福岡県と言われている。
ちなみに、西蒲区の起源と特産化による拡散の経緯はこちらのブログを参照
evergreen ~畑に行く新潟の野菜ソムリエ~ 新潟やさいじく特別課外授業







問題は白なすはヨーロッパを経由しているかどうかだが、これについては不確定だが、日本にはヨーロッパ経由ではないのでは?と私は考える。



一つには言語。
ナスの英語は アメリカ英語だとエッグプラント、ヨーロッパ英語だとオーベルジーヌとなる。

エッグプラント。。まさしく白なすの原種。
となるとアメリカに来た時は白なすだったのでは?







もう一つは仏教の文化。
日本ではお盆に飾り白なすを奉る習わしがある。

特にここ、越後白なすが存在する新潟市西蒲区でもだ。
御精霊さまといい。お供え物をすることで水害を沈めたというのも聞く。
なるほど。明治時代、水と土の戦いが続いた新潟ではその教えも頷ける。






そんなわけで、私は仏教の文化とともに東南アジアを経由してのではないか?と考える。
また、東南アジアに緑色種のナスが多いのも、もしかしたら変異の途中なのかもしれない。







ナスのような夏野菜が色が濃いのには理由がある。





夏の強い紫外線から自身の光合成色素クロロフィル守るために紫色素ナスニンが必要なのだ。


つまり、原種ナスの色が白というのはナスにとって生きるためには不本意な色なのである。







と、考えると、ナスが日本にくるまでに東南アジアを経由し、白→緑→紫と変異したのかもしれない。









白なすは色が白いということが一番の特徴である。
ナスニンという色素をもたないことがこの野菜の短所と長所をつくっている。


ナスニンは活性酸素を除去する抗酸化能力があり、これが苦味の元となっている。
つまり、ナスニンを持たないのでクセはないが、効能は期待できないということになる。



実は、白なすにも“アク”は普通にある。
ないわけではない。
切って水にさらすと、紫色のナスの同様の処理よりも水が褐色に変化する。





これはいわゆる“アク”と言われる物質には様々なものがあって、そのうち、ナスには紫色素ナスニンや、クロロゲン酸が含まれている。
どちらも抗酸化力を示すので苦みを感じる。




白ナス=ナスニンもたない。クロロゲン酸もつ。
紫ナス=ナスニンもつ。クロロゲンももつ。





水にさらすと、ナスニンやクロロゲン酸が流れでるが、白ナスではナスニンがない分、褐色が目立つと思われる。ちなみにクロロゲン酸は薄緑らしいが、水に溶けでると褐色になる。









また、白なすの特徴の一つに“皮が硬い”というのがある。




紫色のナスは紫外線から自身を守るために紫色の色素ナスニンをまとう。

しかし、白なすにはナスニンがない。身を守るために皮が硬くなってしまうのは必然か。





最近の研究では人間も紫外線の影響で皮膚が硬くなるらしい。
白なす栽培もUVカットすれば、高温期のゴワゴワを防げるかも。

ちなみに、紫外線が強いオーストラリアではナスがかなり硬いという。






このように白なすはその、白いという特異性ゆえ、それが長所にも短所にもなっている。







実は全国各地には『白なす』と呼ばれるナスはけっこうある。
しかし、緑色ナスを白なすと呼ぶ地域もけっこうある。


実はこれについて、私の中での持論がある。






白なすと呼ばれる緑ナスの種は、その地に来た時には白かったのではないか・・?
が、変異により緑色ナスになっていったのではないか・・?







こう考える理由は緑色のナスの花の色にある。
下の写真をみて頂きたい。






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先ずは、こちらが越後白なすの花




で、下の2つがどちらとも緑色のナスの花なのだが。。



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こちらは紫なのに・・



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こちらは白なのである・・。









同じ緑色のナスなのに花の色が違うのである。







私はこの花の色に白なすの起源を突き止めるヒントが隠れているように思う。





越後白なすの花は紫→紫色ナスの突然変異の固定? もしくは逆??
緑色のナスの花が白→ということは、花が白い白なすもあるのか・・?







とまあ、どんどん迷宮入りしていく白なす伝説。















野菜ソムリエ 山岸拓真

種と栽培技術=財産

新潟市の豊栄笹山地区の田村さんちにやきなすの勉強に。





豊栄やきなす





このナスが根本的に他の一般的なナスと違うところ。
それは自家採種しているナスというとこです。



自家採種とは農家さんが種取りをしている野菜。






ん?あー。






違いますよ。

農家さんは毎年、種屋さんや苗屋さんから種や苗を買ってるのです。


ここで付け加えておきますが、農家さんが種取りをしないことを私は一切否定しません。


F1種、固定種の話になると長くなるので、また別の機会に。











さて、田村さんちのやきなすに話を戻します。

商品名が『やきなす』になります。
焼きなすにして食べると大変おいしことから名付けられました。

元々は宮崎県の品種。えんぴつなすのような細い品種だったのですが、これを昭和の初期頃から選抜していき今のやきなすに固定していったもの。
門外不出の種で、この地区の生産組合でしか栽培できません。

自家採種は種取りの手間もさることだが、種を維持するためには、自然交配にも気をつけなければいけない。



田村さんもお話されてしたが、風上等も考え、ある程度の距離を確保しないと自然交配してしまうこともあるらしい。
実際に、ここ数年は突如緑色の品種とかが登場することも。









田村さんの畑に入って直ぐに気づいたのはとにかく畝の間隔が広いこと。
長岡巾着なす、梨ナス、越後白なす、北条つららナスと色んなナス農家を訪問しましたが、ここまでの間隔はなかった。
実は47都道府県のうちナスの作付面積日本一は新潟県だ。ところが、ナスの収穫量は年間8970トンで14位、出荷量に至っては3010トンで21位に後退する。
これは露地栽培中心で5ヶ月くらいしか収穫時期がなく、露地栽培であってもこのように間隔を多くとる。



もちろん。風通しをよくし、害虫予防のために畝の間隔をとっていたのもあるのだけど、この、やきなす横に広がるタイプらしい。










今日はトマトーンというオーキシンを花に小まめにかけつつ、病気になったナスを取り除いていらっしゃった。
ナスは生殖成長と栄養生長並行タイプだから気温が上がりきらない今の時期はオーキシンを花にかけ子房の形成を促す。






とにかく細かな手入れをしていらっしゃる田村さん。
こんなに丁寧なナス畑は初めてみた。








ここの笹山地区は砂地。
豊栄はおおよそ8号線を堺に土質が黒土からいれかわる。
確かに、先日お伺いしたトマト農家の曽我さんはチェルノーゼムという黒土に近いと仰っていた。
あっちは阿賀野川水系の影響だろう。
ナスは乾燥に弱いとお聞きしていたので尋ねると、地下水を組み上げ、それを張り巡らし、マルチで保湿しているらしい。


といっても、この畑の大きさ。この作業だけでも相当な労働。










さて。田村さんならではのコダワリはというと・・。







すいません。秘密でした。

というよりも、種取りにしても、何にしても生産組合で共有してるので、言っていいことと悪いことがどこまでか曖昧なので私では答えられないというのが本音らしい。
逆に言えば、それほど一個の野菜の種、栽培技術を大事にしているということ。

ただし、生産組合の中でも各々栽培方法は違ってるらしい。


組合の中でも競争し、高めあってるとのこと。



私が自家採種されているナスに感動し、興奮し、質問攻めしたのもあるが、最終的には軽く怒られる始末。




肥料のタイミングにしろ、種取りにしろ教えられるわけないでしょ。







今日ほど、種と栽培技術が農家の財産と勉強させて頂いた時はなかった。

感謝です。










野菜ソムリエ 山岸拓真

生のザーサイのオススメ調理方法

新潟市の生産者団体。
みどりとおひさまの会が中心となって栽培しているザーサイ。









最近、私は一人で大騒ぎをしてザーサイ、ザーサイと騒いでるのだが、
まず、ザーサイという野菜について簡単に説明すると。






ザーサイは日本では主に中国原産のものが加工品として一般消費者に流通してる。

ザーサイは天日干しされた後、塩漬けされ、塩抜きされた後、色々な調味料とともに漬けられる。


この“いろいろな調味料”というのが何が入ってるのか分からないのだが、さすが中国!といった感じの栽培方法をしています。
興味のある方はYouTubeでチェック。







日本では主に加工品で出回るためにフレッシュザーサイは殆どお目にかかれない。

日本では栽培を積極的にされていないのには理由がある。



ザーサイはからし菜の一種で、茎の下部に大きなコブを形成するのが特徴だが、このコブを肥大させるのが中々難しいらしい。




アブラナ科であるザーサイは気温が高いと、とうが立ってしまいコブができない。
また、気温が低いとコブが肥大しないらしい。

気温を10℃~13℃に保ったまま4ヶ月ほどジックリと育てることがポイントのよう。




となると、四季のハッキリとした日本では難しいし、ハウス栽培で4ヶ月もの間も畑を占有するとなるとコストもかかる。



これらがザーサイが日本では積極的に栽培されない原因。





実は、私も食べるのは初めてということで、分解し、部位ごとに色々な調理方法を用いて研究してみた。








葉はやはり、からし菜。
わさびと同じ成分であるアリルイソチオシアネートという成分を含むため、ピリッとした辛味を生む。



茎は見た目はセロリの茎のよう。
食感もセロリに近いが、味は淡泊。



問題のコブの部分。
水分を多く含み、少しネットリとした粘り気がある。




色々と調理方法を試して見たが、



オススメ→油でソテー
ダメ →ボイル




という結論に達した。




コブの部分は生でも美味しいが、油と合わせ、表面を強火で焼き、中を半生にするような焼き方が甘みが濃縮されベストに感じた。



逆にボイルは苦味やエグ味が強くなるために全くオススメできない。

ピクルスにしようと思い、味を浸透しやすくするために、さっとボイルしたら、取り返しのつかない状態となった。


また、コブに近くなるにつれて繊維質が強くなってくるがアスパラのように表面は軽く向いたほうがよさそう。






そんなこんなでちょっとザーサイが主役の料理を作ってみた。







部位によって味が違うので、一種の野菜でも飽きずに食べられる感じ。
独特な苦味は主張の強い素材とも負けなそうだし、こりゃ、豚肉と合わせたら美味いだろうな。




なかなか面白い素材だが、売れなきゃ生産も終わる。
今週から勝手にザーサイ強化月間を開始。

家庭料理向けの簡単レシピを考えねば。






野菜ソムリエ やまぎし

新潟市の西蒲区産のザーサイ

新潟市西蒲区の八木さんちの畑にいってきました。








お目当てはこちらの野菜、ザーサイ。








八木さんも所属されてる『みどりとおひさまの会』が特産化を目指し栽培をはじめた野菜。



日本人は中国産の加工されたザーサイを漬物として食する機会が多いので、わりと馴染みのある野菜の一つ。


アブラナ科の野菜の一種で、からし菜の近縁の品種。
茎の部分がコブのように肥大するのが特徴。
味はブロッコリーの茎のような食感と甘みと、からし菜の辛みが少し効いた味。






日本で今まで積極的に栽培されなかったのは植え付けから収穫までの時期が四季をまたぐため、年間を通じて気温の安定しない日本では栽培が難しく、採算性が合わないのが原因のようだ。

しかし、中国産野菜の安全性が懸念されてる今後は需要が高まる期待があるといわれております。







八木さんは試しに露地で栽培してみたそうだが、今年の9月、10月の高い気温もあり、上手く肥大しなかったとのこと。

やはり、ハウス栽培で気温を10度前後に保ちながら、栽培するのがコツのようだ。気温が高いとトウが立ってしまい、低いとコブが形成されない。
なかなか、新顔野菜の栽培は難しい。











新野菜の栽培の難しさをつぶやく八木さんちのおじいちゃん






農業は工業製品と違い、自然を相手にしているために、カイゼンがスムーズに進まないのが農業の難しさと感じます。







『みどりとおひさまの会』がハウスで栽培されてるザーサイは冬に出回るので楽しみです。

ピクルス、たたき、カルパッチョなどを考案中です。



野菜ソムリエ やまぎし

白い食用菊

新潟県新潟市西蒲区の浅田さんちの畑で頂いた、白い食用菊。
菊祭りの真っ只中に頂きました。





先日、伝統野菜の柏崎野菜に『仙人菊』という素材があることを耳にしていたのですが、浅田さんも苗を頂いたらしい。


いわむろやにいらっしゃる年配の生産者のお話によると、白い食用菊のほうが甘みがあって美味しいとのこと。









たしかに、かきのもとと比較すると、しっとりと、花びらが厚く、菊の香りは強いが、食べ易い感じ。


新潟の特産品の一つである食用菊の『かきのもと』
長岡野菜にも『おもいのほか』という素材があるのだが、この食用菊、日本では新潟県より北限の県でしか食べる習慣がないらしい。


とすると、さらに、新潟県内での北限が気になるところ。
長岡では食べる習慣があり、魚沼までは確認してるが、糸魚川や妙高、上越地方ではどのようなのだろう?



食用菊と観賞用の菊の違いは苦味が少なく、芳香性が豊かなものが選抜され続けてできたもの。
また、栽培段階での農薬や延命剤の量も違ってくる。

以前、エディブルフラワー(食用花)のお話を長岡の企業さんに伺った時に聞いた話だが、花を農薬なしで栽培するのはとてつもない苦労を要するらしい。
現在では愛知県で9割を生産している。

食用菊といっても農薬の量は他の野菜に比べ多いものと思われる。
保冷パックにいれ、冷蔵庫に保存しておくと2週間はもつのもそのためだろう。
ぜひ、ご家庭でお使いになるときは、しっかりとした水洗いを。








なんといっても、やはり料理をつくる上で花の彩は魅力的。

結婚式場やレストランとのエディブルフラワーの産地契約ができれば面白いと思う。




野菜ソムリエ やまぎし

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