長岡巾着なすの小林さん。

長岡巾着なすの小林さんちにお邪魔してきました。






新潟県長岡市には長岡野菜という伝統野菜が代々伝えられてきました。
過去ブログ→新潟の伝統野菜、長岡野菜 - evergreen ~畑に行く新潟の野菜ソムリエ~

長岡野菜とは…?】
信濃川がつくった肥沃な土壌や夏の高温多湿、豪雪などの気候風土の中で、愛され育てられてきた伝統野菜。長岡中央青果の鈴木会長が平成10年に長岡巾着ナスをきっかけに、探し出し、認定しブランド化した伝統野菜。
【認定基準】
1.古くからあって長岡でしかとれないもの
2. どこにでもあるけど長岡で作るとおいしいもの
3. 新しい野菜だけれど、長岡で独特な食べられ方をしているもの
現在13種類
長岡巾着ナス、梨ナス、糸うり、ずいき、ゆうごう、かぐらなんばん、肴豆、おもいのほか、だるまれんこん、里芋、体菜、長岡菜、白雪こかぶ







長岡巾着なすは、田上町より長岡市中島地区に嫁いだ際に種が持ち込まれたとされる。長岡巾着ナスほど果肉がビッシリと詰まっているナスは全国的にはないと言われる。長岡では『蒸し茄子』という郷土料理とともに伝えられてきた野菜。そのルーツとも言える種を自家採種し続けてる農家が小林さんなのです。







長岡巾着なすの生産者の小林幸一さん。
露地物の巾着なすの出荷がまだなので、今日はご自宅でのお話がメイン。
夏になると、毎年100万人近くが集まる長岡花火大会。その長岡花火が打ち上がるのが大手大橋付近。
川を隔てて川西地区と川東地区に別れ、小林さんの巾着なすの畑は川西地区ある。
そう。この小林さんの長岡巾着なすは何十年もの間、長岡花火を見上げながら種のリレーをされてきた。

種のリレーというのは、長岡巾着なすが固定種という特別な野菜であることを示す。

野菜は種の側面から2つに大別される。一つはF1種、交配種と呼ばれるもの。
F1種とは、交配種 雑種第一代とも呼ばれ、異なる性質の種を人工的に掛け合わせてつくった雑種の一代目。F2(F1種から採取した種)になると、多くの株にF1種と異なる性質が現れる。生育が旺盛で特定の病気に大病性をつけやすく、大きさも風味も均一であり、大量生産、大量輸送、周年供給などを可能にしている。
もう一つは固定種。
何世代にもわたり、絶えず選抜・淘汰され、遺伝的に安定した品種。ある地域の気候・風土に適応した伝統野菜、地方野菜(在来種)を固定化したもの。生育時期や形、大きさなどがそろわないことがあるが、地域の食材として根付き、個性的で豊かな風味をもつ。その土地に根付いた品種で色や形の個性が強いのが特徴。
新潟県で言えば、豊栄のやきなす、長岡野菜の長岡巾着なす、梨ナス、かぐら南蛮、西蒲区の越後白なすなどが固定種になる。






今回、小林さんにお聞きしたかったことは、長岡巾着なすの固定種の起源。
どこから来たのか?ということだが、小林さんの話によると教科書にかいてある『田上町より長岡市中島地区に嫁いだ際に種が持ち込まれたとされる』というのは間違いではないが、その種は一つではなかったかもしれないとのこと。
いくつかの丸茄子系統の種が持ち込まれ、長岡の各地で切磋琢磨されてきたらしい。
なぜ、私がこんなことをお聞きするのかというと、長岡巾着なす一つとっても微妙に形状や、質感が違うからである。
固定種の揺らぎと言ってしまえばそうだが、そこに種のロマンを感じる。





もう一つお聞きしたかったことは、小林さんの長岡巾着なすの栽培方法。
なんと、小林流では茄子の栽培で水を与えないのである。
そういう噂をお聞きしていたのだが、お会いして確認出来てよかった。しかし、高温多湿の長岡市で、いくら河川敷付近で地下水脈が浅く、世界的な水質学者が集まる長岡市とはいえ、本当に水を与えないとは驚いた。
水を与えないので、あの質感になる。表面のツヤでにくい茄子になりやすい。

小林さんのお話では愛媛大学が独自の調査で行った全国の茄子の品評会では、見た目では最下位。しかし、実際に食したお客様の評価では上位だったそうだ。

私はその品評会での茄子の調理方法も気になる所。なぜなら長岡巾着なすは『蒸しなす』という茄子を蒸した調理方法と一緒に伝えられた伝統野菜だから。
つまり、長岡巾着なすの味を最大限に引き出すには『蒸しなす』という郷土料理を知っているか?ということが大事なのだ。
小林さんがお話されていた他県の方々に長岡巾着なすを送っただけでは理解されないという言葉が印象にのこる。




これからが本番の長岡野菜。
今年はまちなかキャンパス長岡で長岡野菜の講座『新潟やさい大学』を開講します。
新潟やさい大学開講します。 - evergreen ~畑に行く新潟の野菜ソムリエ~

お問い合わせはまちなかキャンパス長岡(0258393300)まで




一次産業プロデューサー 山岸拓真

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