新潟白十全なすが本当の十全なす

白十全なすってご存知ですか?

昭和の初め頃、中蒲原郡十全村(現在の五泉市)の農家が、泉州水なすの系統の種子を購入して自家栽培していていました。皮が薄く甘みがあり、漬物にピッタリのこの茄子はご飯の国で好まれ、この十全村から旧白根市に。やがて、中之島を経由し、長岡では梨なすとして好まれ、自家採種され続けて来ました。



しかし、日本が豊かになり、大量生産、大量消費の時代背景とともに、見た目重視の需要が高まると、漬物にすると若干の色ムラができることや、固定種であるが故に大量生産できないという点が欠点となりました。そこで種屋さんは長岡の梨なすを元にF1種の『新潟黒十全』という品種を開発しました。最大の特徴は、真っ黒な見た目。漬物にしても色がくすみにくく、F1種であるが故に生産効率が高いこの新潟黒十全は爆発的なヒットになりました。現在では、いわゆる十全茄子なすの9割以上がこの新潟黒十全となっています。

では、先人の方々に好まれ続け、大事に自家採種され続けてきた十全村のの茄子はどうなってしまったのか?それがこの写真。白十全です。






本来であればこちらが本家であるはずの十全なすは、売場ではまるでニセモノのように消費者に扱われております。この白十全の価値は誰にも知られずになくなる可能性を秘めているのです。

私はF1種の新潟黒十全を完全否定しているのではありません。そのF1種の生産効率で全国の家庭に、新潟の十全茄子の漬物の文化を広めるには新潟黒十全がなければ難しかったでしょう。その貢献度は計り知れません。
しかし、だからと言ってこの先人たちが種を自家採種し残してきた野菜をなくしてよいのでしょうか?
皆さんの知らない所でこのような文化財が正当に評価されずに失われていく可能性があるのです。



一次産業プロデューサー 山岸拓真

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