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黒埼茶豆を作る風土、種、文化

茶豆の里、旧黒埼町小平方へ。
実は私事ですが、新潟県黒埼出身なのです。

ザル盛り枝豆と、十全なす、当時弱小であった高校野球をみんなで応援する。
これが新潟の夏の定番で、私も思い出深い。



黒埼茶豆は昭和40年頃に当時の村長が黒埼茶豆と命名。現在ではJA出荷のものは「くろさき茶豆」というブランド名で出荷。さらに平成7年に黒埼茶豆×だだちゃ茶豆の交配による「ぴかり茶豆」、平成10年に刈羽地区より「みかづき姫」を導入し、くろさき茶豆としては3本柱に。実の入りが8割程度で枝豆を収穫。完全に成熟するよりもうまみの主成分である糖とアミノ酸というのを重視しているのが特徴。

この黒埼茶豆の元祖が小平方茶豆。大正10年に山形県鶴岡市しらやま地区より、ツルさんとトヤさんが小平方地区に里帰りした時にしらやまだだちゃを持ち込んだことが始まり。
現在ではその名を知るものも少なくなった小平方茶豆だが、昭和40年頃には新潟市の中心部の市場で他の地区と比較しても2倍~3倍で取引されていたという。

現在流通している黒埼茶豆の多くは種採りのしやすさから北海道で種採りすることが多いらしいが、白井さんは今でも自分で種採りをし、小平方茶豆の血をつないでいる。









こちらが小平方茶豆。
伺ったのが7月の中旬であるために出荷はまだまだ。







小平方茶豆の生産者の白井さん。





先程、黒埼地区に枝豆が持ち込まれたのは大正10年とお話したが、白井さんは向かいの当時97歳になるお婆ちゃんにお聞きしたらしい。というのも、しらやま地区より、だだちゃ豆が持ち込まれた時代が明治から昭和と非常に曖昧だったため。
しらやまだだちゃ豆を里帰りの際に持ち込んだのはツルさんとトヤさんと言われ、ポイントはこのツルさんとトヤさんがいつ里帰りしたのか?ということになる。
そこで第一人者である白井さんは様々な文献を調べ、向かいのお婆ちゃんにツルさん、トヤさんといつ遊んだのか?と確認したところ、前もって自身が文献から調べた情報と、ピッタリ大正10年とハマったことから確信を得たという。


残念ながら、そのお婆ちゃんは数年前に亡くなられたので、もしかしたらこの真実に辿りつけなかった可能性すらある。このように伝統野菜の起源を探る話は、その手がかりを知る方々がかなりの高齢のために、急務となっている。








鶴岡のしらやま地区より持ち込まれた茶豆。まるで偶然のように言われているが必然だったのかもしれない。
というのは黒埼では元々、枝豆をつくる習慣があった。信濃川と中ノ口川の合流地点である大野は船場町であったという。鮮度が大事な枝豆を近くの船場町である消費地にすぐに供給できる。
さらに、畑仕事の合間に素早く栄養を補給できる枝豆は重宝されたという。黒埼茶豆の収獲の特徴である「実入り8分で収獲」はアミノ酸と糖の量が一番多いからという食文化も、もしかしたらそこからきているのかもしれない。

つまり、もともとあった枝豆文化に必然的に当時庄内で一番美味しいという白山地区の枝豆が持ち込まれた。
ツルさんとトヤさんは、この枝豆を持って帰れば… というのがあったのではないか?

ツルさんトヤさんは確信犯だと私は思う。









さて。こちらが旧黒埼町、小平方地区周辺の地図。
赤丸で印をつけたとこが決壊が常時おこる金巻地区。弥彦三山より発生する雨雲は白根、三条地区の信濃川の下流域で急激な水量をもたらす。信濃川と支流である中之口川の合流地点手間で負荷がかかり決壊する。
ここで決壊しようものなら金巻地区辺りに土砂が堆積していきそうだが、黒鳥地区、小平方地区の川下(黄色丸)に沼地があったらしい。黒埼という地名の由来となった「黒鳥兵衛」伝説にも出てくるように、そもそもこの辺り一体は沼地であったという。
行き場を失った土砂は沼地に向かい、黒鳥、小平方地区周辺に堆積していった。

その水の流れを証明する話がある。
実は、黒鳥地区に周りには全くいない苗字の家が1件だけあるという。そして、その方の苗字は決壊地点の近隣に多い苗字だそうだ。つまり、そこから家ごと流されてきたという話。

このように、決壊した水の流れを掴むと、黒埼の中でも小平方と黒鳥地区の枝豆が特に美味しいという理由が見えてくる。





ただ、白井さんのお話では、もちろん土壌も大変だがやはり種の力が一番のこと。
偶然持ち込まれた美味しい種と、もとからあった黒埼の土壌。そして、その枝豆を好んだ新潟の畑作中心の食文化。
それらが全て重なって、黒埼茶豆は全国有数のブランド枝豆となっている。

ツルさんとトヤさん。黒埼の風土と、そしてその枝豆の栽培技術を高めた農家に感謝。



あ。そうそう。

◯黒埼茶豆
✕黒崎茶豆


「黒埼茶豆は土が違うから美味しいのです。」





一次産業プロデューサー 山岸拓真

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