新潟市の伝統野菜“寄居かぶ”

新潟市にも伝統野菜があるのを御存知ですか?
こちらは『寄居かぶ』



その名の通り、現在の寄居町周辺である寄居白山新田で300年近く前から栽培されていた野菜。実は新潟市の伝統野菜には関屋かぼちゃや、青山ネギなど、現在では住宅地となってしまった地名がついた野菜がございます。
300年も前のこと。現在の寄居、関屋、青山の海岸線沿は砂丘地が広がり、水はけのいい砂壌土が好まれ栽培されておりました。



しかし、都市化が進み、畑の現象とともに伝統野菜も衰退してしまいました。
残念ながら寄居かぶも、関屋かぼちゃも、寄居、関屋地区で代々種採りされ続けてこた直系の子孫ではなく、もっと昔の、関屋かぼちゃは会津早生南瓜という福島の品種を。また、恐らく寄居かぶは大阪の天王寺かぶの系統から再び取り寄せ販売されている種であると言われてる。





写真の通り形は扁平で根が太い。肉質は非常に緻密で実が締まっている。長時間煮込んでも煮崩れしにくく、中心部の風味はカブ本来の香りを強く感じさせる味だ。



数百年もその土地の風土に根付いた野菜。そんな野菜を再びその地の風土に馴染ませるには、多大な時間と労力を要する食文化もそう。伝統野菜はその土地の食文化そのものを含んでいる。伝統野菜が失われるということはその土地の食文化も失われてしまうということ。
長岡巾着なすは蒸かしなす、豊栄ヤキナスは焼きなす、十全なすは漬けなす…
このように、その土地ならではの食べ方、食文化が伝統野菜とともに継承されている。
しかし、寄居かぶの郷土料理は…?

寄居かぶの郷土料理は私が聞きまわった情報によると、寄居かぶの旬は春。雪を割ってでてくる葉っぱを摘みながら漬け菜として楽しんでいたという。この点は雪国特有で、天王寺かぶと野沢菜の関係に似ている。
(といっても、最近になってDNA鑑定で天王寺かぶ→野沢菜は否定されてしまったのだが…)
白雪こかぶ - evergreen ~畑に行く新潟の野菜ソムリエ〜



このようにその地に愛され次代に引き継がれてきた伝統野菜を失うということは、その土地の食文化を希薄化し、均質性の方向に向かう危険性を秘めている。

伝統野菜は単なる野菜ではない。文化財である。


1次産業プロデューサー 山岸拓真

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