やひこ太郎



原木椎茸栽培に取り組む第四生産組合さんを訪問しました。




新潟県三条市下田より取り寄せた原木で椎茸栽培に取り組んでおります。

原木栽培とは原木に、キノコの菌を人間の手で植え、キノコを発生させる方法。
菌床栽培とはオガコに米ぬかなどの栄養材を加えて固めたものに、種菌を接種し、空調設備などを備えた施設内で菌を蔓延させてきのこを発生させる方法。
原木栽培は自然環境に左右されるので、栽培期間がかかりコントロールしづらいが、風味が強く環境にやさいしい。菌床栽培は安定的に供給できるのが強み。現在ではJAS法により両者の栽培方法は表示が義務付けられております。




こちらが『やひこ太郎』
気温8℃以下で芽がでる菌を島根県より取り寄せ栽培。野生のキノコは秋というイメージですが、やひこ太郎の旬は新潟の真冬になるわけです。










原木はこのように積み上げられ保管されます。




こちらが取り寄せた椎茸の菌。




この機械で菌を打ち込んでいきます。




こんな感じに。




その後に風通しのいいように立てて置くのですが、ここからが大変。
気温が高ければ菌が死んでしまいます。とくに夏場の温度管理が難しいとのこと。夏場はハウスのビニールを剥がし、シートをかけてなるだけ森林の環境に近づけるのがポイント。

秋になると水に浸し、菌の芽が出るのを促します。
実はここがキノコの面白いところ。先程、秋が旬とお話しましたが、キノコの芽は雨や、強い音などの外部の刺激に反応して芽が発生します。自然界ではこの刺激は秋の時雨であるといわれております。
時雨とは、主に秋から冬にかけて起こる、一時的に降ったり止んだりする雨や雪で、この時に雷が伴うこともあります。ちなみにこの雷が雪に養分を含ませ、新潟の米作りの地盤となるのです。

つまりキノコは外部刺激を与えれば与えるほど、芽は発生します。
しかし、このような原木栽培では一本の木が持っている養分は限られているために、発生すればするほど一個の椎茸の大きさは小さくなってしまいます。
また、気温が高くてもゆっくり大きく育たないわけです。
そこでこの『やひこ太郎』は水の浸水時間を調整し、一個の椎茸に養分を集中させ肉厚で大きな椎茸を生み出します。



味は椎茸の風味が濃く、水分が少なめ。しっかりとした弾力があります。
近年、椎茸臭さがない椎茸が流行していますが、こちらの『やひこ太郎』は風味は強い。臭くはない感じ。




弥彦山(右)とちょっと低い国上山(左)
写真の通り、ここ弥彦では山を背にしてるために日が隠れるのが早く、夜温が下がるのが早いために米作りにも適している。
弥彦で、この椎茸が栽培できる風土の優位性の秘密がこの写真にある。
写真の左、国上山の方が標高が低いために日本海からの風が集中して吹き抜ける。強風のためにこの第四生産組合の椎茸ハウス近辺では吹雪となってしまい、積雪が少ないといいう。
積雪が多ければ、ハウスが倒壊してしまう恐れがあるし、日光を遮断してしまう。
先程、この『やひこ太郎』のシイタケ菌は気温8℃以下で発生すると話したが、気温8℃以下で積雪が少ないところが適しているのである。

実は、この弥彦山を含む弥彦三山は新潟市近郊の農産物の栽培に多大なる影響を与えている。
例えば、近隣のワイナリーは新潟県で一番年間降水量が少ない地域、弥彦村の隣、三条市吉田地区には新潟市で最速で出荷される春キュウリの産地。さらに、三条市から白根地区にかけての果樹地帯、黒埼茶豆もこの弥彦三山の影響を受けている。もちろん、枝豆最速出荷の『やひこ娘』も。

黒埼茶豆を作る風土、種、文化 - evergreen ~畑に行く新潟の野菜ソムリエ~




生産者の第四生産組合竹野さん。後日の収穫体験ツアーの様子。
原木栽培の椎茸と菌床栽培との違い。スーパーでの美味しい椎茸の見分け方を。




鍋を参加者で囲み、採れたての『やひこ太郎』を2mスライスでしゃぶしゃぶに。




これが生産者の竹野さんオススメのしいたけしゃぶしゃぶ。
参加者の方々もこの食べ方にはビックリした様子。ツルンとした口当たりと、アワビのような食感。


こういった農家料理にその素材の力を最大限に活かすヒントが隠されている。



第四生産組合ホームページ→お米「コシヒカリ」と椎茸「やひこ太郎」の栽培専門店(新潟県弥彦村)






一次産業プロデューサー 山岸拓真

Trackbacks

trackbackURL:http://irodorieye.blog69.fc2.com/tb.php/229-4e9c4979
該当の記事は見つかりませんでした。