冬野菜は何故甘くなる?

ほうれんそう、カブ、雪下にんじん、とう菜、冬になり甘みが増す野菜達。







先日も霜にさらした霜降り白菜なんてものがテレビで紹介されていました。




では、野菜が冬になると甘みが増すのはなぜでしょうか?









水分が豊富な野菜は、氷点下になり、凍ってしまうと水の体積より、氷の体積のほうが大きいために、自身の細胞が壊れてしまい、大切な水分が流失してしまう。

それを防ぐため、野菜は身を守るために細胞内のデンプンを糖に変えます。





野菜の中に糖が増えると、水は氷になる温度が低下し、氷点下になっても野菜は凍りません。


中学校の理科で習った凝固点降下ってやつですね。



つまり、野菜は自身の身を守るために細胞内のデンプンを糖に変え、糖濃度を高めるのです。






これが冬野菜が甘い理由。









今日、こんなNEWSが新潟日報で掲載された。






雪室育ちの食材、3月デビュー
「越後雪室屋」事業組合
 雪室で熟成させた食品を「越後雪室屋」の統一ブランドで発信しようと発足した「にいがた雪室ブランド事業協同組合」が3月、第1弾の商品群をデビューさせる。8日夜には組合の設立記念パーティーを新潟市中央区で開催。“雪室育ち”の食材を使ったまろやかな味わいの料理を楽しみながら、PRや地域活性化策などを語り合った。

 組合は昨年12月、製茶や酒造、米穀卸などの県内企業16社が共同出資して設立した。それぞれに雪室を活用してきた社がほとんど。統一ロゴマークを使用したブランド化により、食味向上効果が高く環境への負荷が少ない利点を一層アピールできると見込む。使う雪室は統一しない。
新潟日報2012年2月10日








野菜に関しては、品目に応じて私は効果があることを理解しておりますが、他の品目ではどうなんでしょうか?


また、使う雪室を統一しないとのことですが、これで雪室貯蔵の効果、ブランドが維持できるのかという点も気になりますね。







雪が降り、気温が低下すると、野菜も小さな生命を守るために戦っています。




そんな小さな生命を感じながら、食べると、今食べてる野菜がより一層おいしく感じられると思いませんか?






野菜ソムリエやまぎし

野菜ソムリエの天敵

ビタミンCを破壊する何とも野菜ソムリエの天敵とも言える酵素がある。





アスコルビナーゼという酵素。



けっこういろいろな野菜の細胞に含まれており、細胞が破壊され空気に触れることにより活性するというなかなか厄介な酵素。



この酵素が含まれる一番有名な野菜は人参。






もみじおろしという人参と大根おろしを合わせた調理は大根おろしに含まれるビタミンCを破壊してしまう。



さらに、よくあるのが野菜ジュース。



せっかく沢山の野菜を加えてもアスコルビナーゼが含む野菜を生のまま加えるとそのジュースにおけるビタミンCの効用は殆ど期待できない。







代表的な野菜としては

カリフラワー、人参、春菊、カボチャ、キャベツ、バナナ、リンゴなど。



なんともまあ、野菜ジュースの定番アイテムが沢山。





これらの野菜をつかってビタミンCをしっかりとれるジュースを作る際には、酵素を不活性化するか、活性し、ビタミンが破壊される前に飲み切るしかないわけだが、不活性化する方法がいくつかある。




一つはジューサーに入れる前に軽く下茹でし、アスコルビナーゼの酵素タンパク質を熱変性してしまうか、
もう一つは、レモンやオレンジなどの柑橘類を加え、不活性化する方法がある。



また、もみじおろしなどの調理には少し酢を加えるなどがよい。




健康のために飲んでる野菜ジュースが実はビタミンCがまるで含まれてませんでした。なんてことのないようにしたいですね。




野菜ソムリエ やまぎし

一番美味しい南瓜食べる

直売所でお客様からの質問が多い、南瓜の食べ頃。


確かに、これを売り場で判断するのは難しい。

先ずは南瓜の糖分の特性について考えてみる。





南瓜は収穫後、自身のデンプンを分解し糖分をつくり始める。
では、とにかく収穫後、熟成したほうがいいのかと言われると、それは違ってくる。



ここで北海道立中央農場試験場の南瓜の貯蔵研究を参考に
http://www.agri.hro.or.jp/center/kenkyuseika/gaiyosho/S63gaiyo/1987063.htm





この研究によって読み取れることは


1.熟成温度が高いほど澱粉から糖分への変化が大きい。


2.収穫後も南瓜は呼吸を続けるため、呼吸によって糖分を分解し続ける。よって、低温保存のほうが呼吸量が小さいため糖分量の損失が少ない。


3.澱粉の分解が進むと水分量が増加するため、澱粉と糖分の量が等量になる頃が最も美味しい。





貯蔵の仕方、期間によってだいぶ味に差がでるみたいだ。







さて、それでは、研究結果を参考に家庭で一番美味しく食べられる方法を考えると、理論上は

20度前後で二週間熟成、その後、冷蔵庫に入れて一ヶ月後でベストか。早く食べたいならば、熟成温度を上げて熟成期間を短く。


となると、もし、ハロウィンに最も美味しいカボチャを食べるには9月の頭に収穫したカボチャを

20度で二週間熟成
→冷蔵庫に保存し呼吸量を抑えつつ保存を一ヶ月半。


となる。九月の頭の収穫ってのが厳しいかな。






しかし、ここで問題が。


一般に直売所に出荷されてあるカボチャなど保存がきくものは出荷日=収穫日ではないことが多いから中々判断が難しい。

なので、ヘタが乾燥しているもの=熟成中盤と捉える必要がある。








よって、南瓜の見極め方とは。

まず、ヘタをみる。
ヘタの乾燥具合によって、収穫後の貯蔵期間(売り場に並んでる期間を含む)を判断する。

ヘタが完全に乾燥しきってるのであれば、収穫後1~2週間はたってるものと判断する。


よって、この場合、
一週間常温→そこから低温で一ヶ月後が美味しい食べ方となる。


ヘタが乾燥してなかったら、収穫直後となるため、熟成期間が長く必要となるし、
逆に、ヘタが乾燥仕切ってるのに、ヘタの窪みから水分が生じてる南瓜は、先ほどのグラフを参考にすると、熟成が進み過ぎ、水分量が多くなってる状態と考えられる。

このような南瓜には手を出さないほうが賢明だ。







日本では昔から冬至に南瓜を食べると身体にいいと言われている。


それは、現代よりも平均気温が低く、冷蔵などの貯蔵技術がない時代において、収穫後の栄養価が最も高くなることから言われていたのでしょう。




平均気温も高くなり、収穫時期の早くなった現代では、冬至用の南瓜もコントロールしなければいけない。



野菜ソムリエやまぎし

野菜リテラシー

有機農産物について。
ここでみなさんよく勘違いされていることをお話すると



1、有機農産物と表示して販売することができるのは国のJAS認定を得られた農産物だけである。



2、JAS有機農産物=無農薬野菜ではない。






1に関してはみなさんスーパーの有機農産物コーナーでみかけたことがあると思います。
あのシール商品のみが正式に名乗ることができる有機農産物なのです。


一部の詳しい方には周知の事実だが、有機農産物とは官僚の方々がお創りになられた、とてーも分かりづらい法律によると



「化学的に合成された肥料及び農薬を避けることを基本として、播種または植付け前2年以上(多年生作物にあっては、最初の収穫前3年前)の間、堆肥等による土づくりを行ったほ場において生産された農産物』



一度聞いただけでは何を言ってるかわからない官僚言葉。
これがめちゃくちゃ大変。
提出する栽培記録の数が半端じゃない上に、隣の畑で農薬使っていたら飛散するのでムリ。
実際に断念した生産者も私は知っています。



さらに、ここからが官僚の方々の得意な言い回しになるのですが、
化学的に合成された農薬は禁止。化学的に合成されてなければよい。


つまり化学的に合成された農薬は使用できなくても、天然鉱石を原料とした農薬ならオッケーということなのである。

ここのところを理解していない人は非常に多い。


サイト参照
【有機表示のできる農薬】
http://www.greenjapan.co.jp/yuki_hyoji_noyak.htm





全く、このJAS認定有機農産物が何の安全性を示す基準になるのか不明だし、とにかく分かりづらい。


分かりづらいので有機野菜=安全という認識が強まるのである。
さらに、これを膨らましていくと、何が安全なのか本当にわけわからなくなる。


例えば、
有機肥料となる原料が家畜の糞尿であり、では、その家畜は抗生物質をつかっていないのか?

家畜は化学肥料の飼料を食べてないのか?

硝酸態窒素の問題は?

残留放射線量の生物的濃縮は?

そしてその将来的安全性は?


これらを全て売り場に情報開示するには現実的にムリがあるし、なによりも、消費者が望んでいない。



大事なことは『有機野菜』や『朝どり』『直送』などといった安易なフレーズに惑わされることなく、野菜を選択する。
それはレストランでも同じ。


オーガニック野菜だか、なんだか知らんが、どこの誰がつくったかもわからないような野菜のほうがよっぽど危険であるし、それを全面に押し出すようなレストランは、その程度の野菜偏差値しか持っていないということだろう。
本当に野菜偏差値の高い方なら、これらのフレーズはどれも積極的に使うのはためらうはずだ。



先日、ある週刊誌に福島産の放射線基準値超え野菜を買い占め、それを付き合いのある飲食店に横流している記事が掲載されたりもした。



『有機野菜』や『朝どり』『直送』などといった安易なフレーズに惑わされることなく野菜を選択することが大事。



情報化社会の発達により、ものすごいスピードで情報が蔓延。
近年、メディアに対するリテラシーが問題となっている。




野菜情報に対するリテラシーも求められている。




野菜ソムリエ やまぎし

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