この大根なら400円でも欲しい

先日放送されたNHK「キッチンが走る」





この番組は俳優の杉浦太陽と一流シェフが地方に埋れた素材をつかって調理。その素材に関わる生産者のドラマを紹介するというもの。






実は今回は実は最近お世話になっている岩崎さんちが紹介。






新潟市佐潟で、雪原下で凍らないようにと、自ら甘みを蓄えるブロッコリーと大根を収穫する様子がたっぷりと。
また、それに関わる生産者の様子がしっかりと。


番組の視聴者の中にはあの大根なら400円。





付加価値ってそういうこと。





あの番組で紹介されたブロッコリーは先日、私がFacebookで紹介した激安の聖護院大根が売っていた内野農産直売所にあったような。。
生産者の名字も一緒だし。。


あの時を思い返すと、


『この時期にブロッコリーあるじゃん。状態も凄くいいし。けど、高いブロッコリーだな。』



と買いませんでしたが、私も視聴後は後悔です。。

と、まあ、とにかく売られている野菜の情報、ストーリーが少なすぎるのです。





美味しい野菜…手間ひまかけてつくられる無農薬…減農薬野菜、
固定種野菜、伝統野菜…珍しい野菜…




こんな素晴らしい野菜を作っておられる生産者は沢山いらっしゃるのです。




しかし、その情報が一般の消費者には届かずに埋れてしまう。
生産中止になってしまう。







今年の私のテーマは





『直売所で野菜を50円高く売る方法』





なのです。





その方法の一つである

ストーリーを伝えて販売する。


これを絵に描いたような放送内容でした。




見逃した方は再放送もあるようです。→3/6(火)15:15~






野菜ソムリエ やまぎし

地場農産加工品の飲食店への営業効率を上げるには?

地場農産加工品の飲食店への販売ルートを模索されている生産者は多いと思う。





飲食店に使って貰いたいがどこから手をつけてよいかわからない。

飲食店ユーザーを開拓するためにはどのような方法を取ったらよいかわからない。

営業できる時間帯が限られ効率が悪い。

飲食店の方が調味料としてはどのような商品が使いやすいのかわからない。




このような疑問が主なものだ。



ここで私の先日のコンサル事例を踏まえ、お話すると。





ポイントは業態ではなく、関心と客単価。






実は地場農産加工品の飲食店への販売ルートとしては業態はあまり関係ないのである。




例えば、地場農産加工品のイチゴジャムがあったとする。
ここで飲食店への販売ルートとして、多くの方は

ジャム=デザート=ケーキ屋やカフェ

をイメージするが、これは必らずしも正解とはならない。





というのは、このイチゴジャムをつかってよいかどうか?という飲食店特有の価値観が存在するからである

わかりやすく言うと、このイチゴジャムを加工品と捉えられると、使い辛くなってしまうのである。

もっと簡単に言うと、できあいのものを使うのを良しとしない飲食店があるということです。




では、その特有の価値観をうまく捉えるにはどうしたらよいか?





ここで私が重要視するのは客単価である。







実は飲食店ではディナーの料理客単価がある一定の数値以上になると急に専門性が増すという特性がある。





下の図を参考にしてもらいたい。














この本格化ラインを超えると途端に料理を作る方のプロ率が高まるのである。




誤解せずに聞いて頂きたいが、この数字以下ではプロの料理が食べれないとか、美味しい料理が出てこないという訳ではない。

むしろ、この数字以下でプロの料理が食べれるのならば、企業努力の賜物であると思うし、お客様第一の繁盛店であると思われるし、そのような店舗は他の接客などのサービスも一流でしょう。






話を戻しまして、ある一定のラインを超えると専門性が急激に高くなり、加工品はプロにとっては使いづらい商品になってしまうということである。


となると、このラインを超えた飲食店に加工品の営業をかけても効率は下がるということである。


ところが、この話以前に、事前に絶対に把握しておかなければいけない点がある。



それは関心です。




地元素材に関する関心、興味。



これが大前提。


はっきりいって、この大前提がないと、客単価もクソも関係ないのである。




というのは、ただのコスト論争になってしまうからである。

外食産業向け加工品会社のPB商品や輸入品にはコストでは勝てるわけない。




となると、コストを切り詰め低価格帯で勝負をする図の客単価グループの下の2つには営業をかけるだけ時間の無駄である。

また、先ほどお話した通り客単価が高い店になればなるほど、加工品は使い辛くなるので、こちらも効率は下がっていく。



ただ、上記の専門性が高い飲食店でも、全く不可能ではなく、使って頂けるための営業のコツもいくつかあるが、一つだけ紹介する。


たとえば、いかにして『素材』として捉えて貰えるかである。
客単価条件を満たしていなくとも『加工品』ではなく『素材』として捉えて貰うと、成立しやすい。



ただ、この場合は当然、関心が高いのが絶対条件となる。



逆に言えば、例え、客単価が高くて、専門性が物凄く高くても、地場産への関心が飛び抜けて高ければ、取引成立するでしょう。



その位、この関心というものは大きな決定要因になりうります。




以上の理由から地場農産加工品の飲食店への販売ルートとして、重要視するのは業態ではなく、関心と客単価。



業態でケーキ屋を選んでも、そこが、加工品を使わない店だったり、地元の素材に関心がないようでは、取引成立にはならないでしょう。





ポイントは関心と客単価。






野菜ソムリエ やまぎし

今までに感じたことのないヤリガイを創る

今日で4週連続フレッシュザーサイのレシピ紹介終了。




フレッシュザーサイのたたき





フレッシュザーサイのフリッタータ





フレッシュザーサイのピリ辛炒め






フレッシュザーサイのチンジャオロース



レシピはこちらから

ザーサイのレシピ集







おそらく、今までここまでフレッシュザーサイと向き合ったのは自分しかいないんじゃないかと。





さて、4週間いわむろやにて商品デモを通して感じた、このフレッシュザーサイが売れるかどうかだが。








結論。


思ったより全然売れる。






確かに、苦味や辛味があり、生では馴染みのない野菜なので、自分ではかなりの苦戦を強いられると思っていた。




ザーサイなんて本当に美味しいと思って売ってるの?

なんて言われたこともあった。






これが、意外と売れる。






独特のインパクトのある見た目である。
もともと知ってる野菜である。
レシピを用意した。
4週続けて企画した。


というのが勝因なんだろうか?






しかし、今まででもレシピを用意していた野菜は沢山あったし、越後白なすのようなインパクトのもっと高い野菜を取り扱ったこともあった。



これらの野菜より全然売れたのである。





さらに、苦味のある野菜が好きだというお客様が思った以上に多かったのも嬉しかった。


野菜は甘みばかりが追求され、一つ一つの野菜の個性を失いつつある時代の中でコレは嬉しかった。







とにもかくにも、このフレッシュザーサイ自体の商品力が高いのは間違いない。

コスト云々を抜きにして考えた場合だが。







今日、生産者とお話をしたが、レシピをある直売所に持ち込んだら、飛ぶように売れたと、かなり手応えを掴んでいる様子。



当初の売れずに困っていたお話を聞いてからの、このフレッシュザーサイを広めようプロジェクトは成功と言って間違いない。









また、こんな出来事があった。





今日のデモでザーサイが午前中で売り切れてしまったので、生産者にお願いをし、急遽ザーサイを追加で午後から持ってきて頂いた。




そして、デモ中に、ザーサイ作りの難しさ、フレッシュザーサイの価値を説明し、お客様に生産者をご紹介。





『はい。私がつくりました』





凄い誇らしげに胸を張って、お客様に応じる生産者の堤さん。




軽く堤さんの周りにお客様が集まりだす。






そして、堤さんの手を強く握り何かを伝えるお客様。








最近、生産者紹介の調理デモをなど、いわむろやでの活動を通じて生産者に今までの農業では感じることのできなかった新しい価値を提供したいと思っている。




野菜ソムリエとして、その価値を感じられる場を創れたらと思う。










よしよし。今日も生産者に新たな価値を提供できた。











野菜ソムリエ やまぎし

白菜ゴマ症

先日、新潟市内のある直売所で見つけた貼り紙。





『白菜の芯の下部にできる黒い斑点はゴマ症というものでカビではありません。何の問題もなく安心して食べられます。』





何の問題もなくというのは、いくらなんでも言い過ぎ。










wikiより。参考画像。





白菜の芯にできるゴマのような斑点は白菜の細胞が成長時に浸透圧が上昇すると、細胞は水分が増加し膨張する。そこでストレスを感じた細胞内のポリフェノールが増え、細胞壁が色づくというもの。



この浸透圧が上昇する原因が窒素の過剰と言われている。





生理現象であり、人体には影響がないといわれているが、ストレスを受けながら成長した野菜であり、ミネラルバランスが崩れていると考えられるため、日持ちはあまりよくないし、味も一枚劣ると考えられます。

まして、窒素過剰の畑で育った野菜ですから、硝酸態窒素の残留の影響も大きいと考えられます。






私は、こういう白菜は売ってはいけません。騙されちゃいけませんよ。
と言ってるのではなく、販売側は正確な情報と調理を伝えるのも義務。



たとえば、

この白菜は日持ちはしませんが、直ぐに食べるのでしたらこちらの白菜の方がお安くしておりますのでお得です。
硝酸態窒素はしっかりと湯通しすれば除去できます。しかし、水溶性なので、煮汁は捨てること。




この位の説明は欲しいところ。




いやいや、ウチは只の直売所だからいいよ。
ウチの子達は只のアルバイトだから。

と仰る方がいるかもしれません。






ここ、最近ずっと考えてるのは、先日のセミナー終了後に農家の方が怒りを込めてお話をしていた。


『一般の人が農産物直売所に一番求めてるのは“安さ”ですよ!私がどんなに手間をかけて、どんなに美味しい野菜をつくっても、安くないと売れないんですよ!』




という一言。これはデータ的にも裏付けがあり間違っていない。




大手量販店に価格で負けて、品数でも負ける。

商品力とサービスで勝たなくては。






そのためには直売所の生産者との連携とサービス力強化が必要。




野菜ソムリエこそ、その中心人物にならなければいけないし、
野菜ソムリエ自体の育成も必要。

資格を取って、最終目的もなくプラプラしてるようじゃいつまでもお呼びがかかりませんよ。










参考までに白菜の選び方は




ハリがある。
茎の白い部分にツヤがある。
水分が豊富で重い。
外葉が包み込むようにしっかりとしている。
葉脈が均等にのびている。



このあたりでしょうか。






野菜ソムリエやまぎし

食料自給率の良問から学ぶ

食料自給率について。

食料自給率の計算には主に三種類の計算があります。

1.重量ベースの計算。
2.生産額ベースの計算。
そして、
3.カロリーベースの計算です。

日本はこの3番目のカロリーベースの計算を農水省は指標としております。





【カロリーベースの食料自給率】

カロリーベースの食料自給率(平成18年度)=
(国民一人一日当たり国産熱量[996kcal])/国民一人一日当たり供給熱量[2,548kcal]×100=39(%)


食料の重さは、米、野菜、魚、、、どれをとっても重さが異なります。重さが異なる全ての食料を足し合わせ計算するために、その食料に含まれるカロリーを用いて計算した自給率の値を「カロリーベース総合食料自給率」といいます。
カロリーベース自給率の場合、畜産物には、それぞれの飼料自給率がかけられて計算されます。
日本のカロリーベース総合食料自給率は最新値(平成22年度概算値)で39%です。
(農水省ホームページより抜粋)






先ずは下の問題を参考に。
これは2009 東京大学 前期日程入試 地理 で実際に出題された問題でです。








この入試問題は非常に良問だと思う。この問題と向き合うと色々な食料自給率の問題や農業の問題がみえてくる。
都道府県別のカロリーベースの食料自給率と、生産額ベースの自給率を比較することにより、都道府県別の食料生産品目の違いによって、日本が基準としてる食料自給率についてどのような違いが生じてくるかを問う問題です。






ここで、大前提として頭に入れて頂きたいのが、


カロリーベースの食料自給率を国の食料自給問題の指標としてる国は世界で日本だけということです。ということは、なぜ、日本だけこのような数字を使っているのか?ということになりますが、これはおいといて。この表から得られることは


カロリーベースの食料自給率=生産額ベースの自給率ではない
米の生産地はカロリーベースの食料自給率が高い
北海道はカロリーベースでは断トツの一位である
生産額ベースの上位は果樹産地が多いようだが、中でも宮崎は突出
大都市は人口が大きいために、どちらの数値も低い


この辺りでしょうか。

よって、設問(4)の答えは
上位は米の産地が多く、米は重量が小さく、炭水化物を主とするため、カロリーベースの自給率では高くなる傾向があるが、取引価格が重量ベースでは小さくなるため。




さらにポイントは北海道のカロリーベース自給率の高さです。
この数字をみて、先日、ツイッターで

『食料自給率200%を超える北海道では自給自足できる』

などといった書き込みがありましたが、これは間違いです。
そもそもこの都道府県別の食料自給率というのは、その都道府県で消費しきれない分も含むからです。







【都道府県別食料自給率計算方法】

 供給熱量ベースの都道府県別食料自給率=
1人・1日当たりの各都道府県産熱量÷1人・1日当たりの供給熱量


分母となる1 人・1日当たり供給熱量は、全国の1人・1日当たり供給熱量(平成20 年度は2,473kcal)と同じとしている。分子となる1 人・1 日当たりの各都道府県産熱量は、品目ごとに全国の国産供給熱量を当該県の生産量に応じて按分して、全品目を合計し、これを当該県の人口で割って算出している。

つまり、分母が『全国平均の国民一人当たり食料供給量』で常に計算されてるわけです。

例えば、新潟県で生産された米が他県で消費されても、カロリーベースの計算では新潟の食料自給率に含まれます。逆に、新潟でほとんど生産されてないバターなどを新潟県が使っても都道府県別の食料自給率には関係ないのです。
つまり、カロリーベースの食料自給率が100%を超えて、自給できるというのならば、その県で生産されたものしか食べてはいけないのです。しかし、現実、他県産のものは毎日の食卓で消費しておりますので、全く意味のない数字です。

こんないい加減な数字を使い、私たちの県は、町は食料自給率が高いのです。自給自足できるのです。とアピールしたりしてるのです。






さて、話を戻し、北海道の食料自給率がズバ抜けて高いのにはもう一つ理由があります。
それは酪農業に方々の割合が高いためです。酪農の飼料比率は他畜産業に比べて国産比率が高いし、飲料用生乳の輸入はゼロですからね。牛乳は自給率が100%を超えるし、カロリーも高いですから。カロリーベースの食料自給率の計算では、畜産物には、それぞれの飼料自給率がかけられて計算されます。






食料自給率に関して、一般の方が一番勘違いしているとこは、カロリーベースの計算のみの見方では家畜肥料が輸入であれば、その豚や鶏や卵は国産品であっても飼料自給率という謎の数字をかけられ、低く見積もられていること。簡単にいうと国産品の畜産物を食べれば食べるほど自給率が下がるカラクリなのです。


この飼料自給率は品目により変わっておりますが、牛の畜産業の場合、主とした飼料が飼い葉になるため、輸入トウモロコシ中心の豚や養鶏より飼料自給率が高くなる傾向があります。あとは、北海道という地理的不利も少なからずあるでしょうか。大都市への輸送費も考慮しなくてはいけなくなりますからね。


以上の理由で、北海道の食料自給率はズバ抜けて高いのです。





また、食料自給率のトリック(?)飼料自給率を考慮すると、宮崎県の食料自給率が低い理由がわかりますね。

米の生産量が少なく、飼料自給率を考慮しなければいけない、畜産業が盛んであるため。また、生産額ベースで高い値を示してるのは、果樹や畜産業で付加価値を高めた商品を確立しているためです。

よって、設問(5)の答えは

人口密度が小さく、米作など、カロリーの高い農産品を生産している地域と推測。逆に山梨や和歌山、宮崎県はカロリーは低いが付加価値の高い商品が中心。山梨県ならブドウやモモだし、和歌山県なら柑橘類や梅。宮崎県は畜産業。畜産はカロリー計算だと飼料自給率をかけられるために低くなる。





実は畜産業は農地の単位面積あたりの生産額が非常に高く、日本の農業に大変貢献し、付加価値という面からみれば、農地が少ない日本では今後の成長産業として期待されております。また、果樹栽培も産地をブランド化し、付加価値を高めた農業として成功しております。しかし、カロリーベースの食料自給率という面からのみみたら、この二つの産業は足を引っ張ってるとみなされます。これをプロパガンダといわなくてなんなのでしょう?
なかなか、官僚を多数輩出してる天下の東大の問題にしては挑戦的な問題です。







野菜ソムリエやまぎし

このカテゴリーに該当する記事はありません。